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普通分娩(自然分娩)と無痛分娩どっちを選ぶ?メリットや判断基準を解説

子育て

出産を控えた妊婦さんにとって「無痛分娩と普通分娩、どちらを選ぶべきか」は大きな関心事の一つです。

近年は無痛分娩という選択肢も広く知られるようになり、迷われる方が増えているのも当然のことでしょう。

 

今回のコラムでは、普通分娩(自然分娩)と無痛分娩それぞれの特徴やメリット・デメリット、迷った際の判断ポイントについて詳しくお伝えします。

 

自分らしい出産方法を見つけるための参考にしていただければ幸いです。

 

 

普通分娩(自然分娩)と無痛分娩の特徴を知ろう

出産方法を選択する前に、まずは普通分娩(自然分娩)と無痛分娩それぞれの特徴を理解しておきましょう。

 

普通分娩とは

普通分娩とは、麻酔などの医療的介入を最小限に抑え、お母さんが本来持っている「産む力」と赤ちゃんが持つ「生まれる力」を生かして行う出産方法です。

 

普通分娩では、陣痛を通じて出産の全過程を体験します。

陣痛は単なる苦痛ではなく、お母さんの体が出産に向けて準備を整えているサインでもあります。

 

【普通分娩のメリット】

  • 薬剤による副作用の心配がなく、帝王切開率が5%以下に抑えられる
  • 無痛分娩と比較して費用を抑えられる
  • 体の自然な機能を活用した出産ができる
  • オキシトシンの分泌により出産が素晴らしい体験となったり、パートナーとの絆が深まる
  • オキシトシンの分泌により産後の体の回復が早い
  • オキシトシンの分泌により赤ちゃんの機嫌がよく育児が楽しくなる

 

【普通分娩のデメリット】

  • 出産の開始時期が予測できない
  • 陣痛が長引くと体力を消耗することもある
  • 痛みによるストレスを感じる場合がある

 

ただし、これらは心の準備をすることで回避できます!

 

無痛分娩とは

無痛分娩は、麻酔を用いて陣痛の痛みを和らげながら行う出産方法です。

 

「無痛」という名前ですが、完全に痛みがなくなるわけではありません。

赤ちゃんを押し出すための「いきみ」には、ある程度の陣痛の感覚が必要なため、一定の痛みは残るように調整されます。

 

【無痛分娩のメリット】

  • 陣痛の痛みが軽減される
  • 出産への恐怖心や不安を和らげられる
  • 痛みが少ないので医療スタッフや家族とコミュニケーションが取りやすい

 

【無痛分娩のデメリット】

  • 麻酔による副作用のリスクがある
  • 分娩時間が長くなる傾向がある
  • 促進剤を併用することが増え、帝王切開率が20-30%に上がることがある
  • 吸引分娩や鉗子分娩が必要になる可能性がある
  • 費用が高額になる
  • 麻酔の効き方に個人差がある
  • 産後の会陰切開など傷の痛みを強く感じることがある

 

無痛分娩についてより詳しく知りたい方は、「無痛分娩とは?仕組みやメリット・デメリットをご紹介」もあわせてご覧ください。

無痛分娩の仕組みや具体的な流れ、注意点などをより詳細に解説しています。

 

 

普通分娩(自然分娩)と無痛分娩で迷ったら

出産

どちらの出産方法を選ぶべきか迷った際は、以下のポイントを判断のヒントにしてみてください。

 

自分がどういう出産をしたいのか?

痛みが怖いから無痛分娩を選択して帝王切開になってしまったという方もいれば、無痛分娩のはずだったのに痛みが強かったと感じる方もいます。

 

まず考えたいのは「自分はどういう出産をしたいのか?」ということです。

  • 気持ち良く産みたい
  • なるべく痛みを感じずに産みたい

 

それは自然な出産でも可能です。

 

もし心の中に無痛分娩への不安や、自然な出産への興味があるならぜひチャレンジしてみてください。

 

  • 骨盤底筋の血流をよくするためストレッチを週3回する
  • リラックスのための呼吸(鼻呼吸)を練習する

 

これだけで、痛みを感じづらい気持ち良い出産を迎えることができます。

 

なお、無痛分娩での痛みの感じ方や軽減度合いについて詳しく知りたい方は、「無痛分娩の痛みはどのくらい?普通分娩(自然分娩)の痛みも軽減できる!」もご参考ください。

実際の痛みの程度や個人差について、具体的な情報をお伝えしています。

 

前回の出産経験

経産婦さんで前回の出産が辛い体験となり、今回は無痛でとお考えになる方もいます。

ですが、出産を体験したという事実は出産の進行に好影響を与えることが多いです。

 

出産の所要時間も2回目以降は半分になります。

辛い体験を乗り越えた自分に自信を持って次の出産に臨むことで、辛さを塗り替える体験ができたという方もいます。

 

出産後の環境と家族のサポート

上のお子さんがいる場合、いつ始まるかわからない自然な陣痛を待つよりも、計画的に出産日を決められる無痛分娩の方が、お子さんの預け先の手配などがしやすいという方もいます。

頭で考えるとそうなのですが、計画したけどうまくいかなかったと逆効果になることもあります。

 

「自然の流れに任せて全てうまくいく」と心とからだを緩めて待つと、全てうまくいくことが多いです。

 

費用面の考慮

無痛分娩は普通分娩に比べて費用が高くなる傾向があります。

費用については事前に詳しく確認をしておきましょう。

 

医療機関の体制と医師との相談

最終的には、出産予定の医療機関の体制や医師の方針も大きく関わります。

 

無痛分娩を希望する場合は、麻酔科医が常駐する施設を選ぶことが安心・安全につながります。

医師や助産師とよく相談し、自分の不安や希望をしっかり伝え、納得のいく出産方法を選んでくださいね。

 

Sola Clinicでは、お母さん一人ひとりが持つ「産む力」を信じ、自然分娩(Joyful birth)を基本としたサポートを行なっています。

安心できる環境と十分なサポートがあれば、きっと自然分娩で満ち足りた出産を迎えることができるはずです。

 

 

普通分娩(自然分娩)と無痛分娩、それぞれの良さを知って納得の選択を

無痛分娩と普通分娩(自然分娩)、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。

無痛分娩は痛みの軽減や計画的な出産が可能である一方、普通分娩は薬剤による副作用がなく、出産の達成感を味わえるという利点があります。

 

選択に迷われた際は、「自分がどういう出産をしたいのか」をまずは考え、痛みへの耐性、健康状態、前回の出産経験、産後の環境、費用面などを踏まえて総合的に判断しましょう。

 

Sola Clinic」は横浜市都筑区にある女性医師による産婦人科クリニックです。

自然分娩(Joyful birth)を基本とし、お母さん一人ひとりの力を引き出せるよう、丁寧なサポートを行なっています。

落ち着いた環境のなかで、安心して出産にのぞめる体制が整っています。

スタッフも全員女性ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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この記事の監修
Sola Clinic院長 渥美 陽子
渥美 陽子
Sola Clinic院長
あなたと家族の”みらい”に向けて、明るい笑顔と真心、そして安心の医療体制で、安らぎと感動を提供いたします。産科、婦人科にかかわる心配事は、程度にかかわらず何でも「Sola Clinic」までご相談にいらしてください。