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更年期にこそ摂取したい!大豆イソフラボンの健康効果をご紹介

大豆に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあると言われており、注目が集まっています。
女性ホルモンは年齢とともに減っていくため、大人女性、特にゆらぎ期の女性におすすめです。
大豆イソフラボンの効果は個人差があり、必ずしもすべてが良い働きをするとは言えません。
この記事では、ゆらぎ期におすすめのイソフラボンの効果と女性ホルモンの関係について解説します。

大豆イソフラボンとは?女性ホルモンと似た働きがある注目の成分

大豆イソフラボンとは?女性ホルモンと似た働きがある注目の成分
大豆イソフラボンは大豆などのマメ科の植物に多く含まれるポリフェノールの1種です。

大豆イソフラボンは、人が摂取した場合、腸の中で吸収されます。大豆イソフラボンの「ダイゼイン」という成分が、腸内細菌により分解されることで、「エクオール」が作られます。
このエクオールは、女性ホルモンであるエストロゲンと似た作用があると言われているのです。

大豆イソフラボンについては、これまで多く研究がされてきており、女性ホルモンであるエストロゲンと構造が似ているため、植物性エストロゲンと言われています。
エストロゲンは女性の若々しさや美しさを保つ働きを持つ重要なホルモンであり、女性の健康や美容に欠かせない存在です。

エクオールを作れるのは日本人の約2人に1人!

エクオールは大豆製品に含まれる大豆イソフラボンが主な成分です。
女性ホルモンに似た働きがあるエクオールをできるだけ作るため、大豆製品をたくさん食べたらいいのでは?と思う方もいるでしょう。
しかし、残念ながらすべての人で作れるわけではなく、日本人の約2人に1人しか作れないと言われています。
年齢が若い人ほどエクオールを作れる人は少ないという報告もあります。
詳しい原因はわかっていませんが、これは、食生活が変化し、大豆製品をとっている人が少なくなったことが一因と考えられています。

大豆イソフラボンはなぜゆらぎ世代におすすめ?

大豆イソフラボンはなぜゆらぎ世代におすすめ?
大豆イソフラボンは全ての女性に必要な栄養素の1つですが、特にゆらぎ世代の女性におすすめです。
ゆらぎ世代とは、更年期の前後10年ほどの心も体もゆらぎを感じる期間を言います。閉経の年齢は個人差が大きく、おおよそ40代〜60代の女性におすすめの成分です。
では、大豆イソフラボンがなぜゆらぎ世代におすすめなのか、解説します。

1:更年期症状の改善

まずは更年期症状の改善に効果があると考えられているからです。
更年期症状は個人差が非常に大きく、症状が全くない人もいれば、更年期症状が強く出る人もいます。
また、閉経の年齢は40代〜60代までと個人差が大きいと言われています。
更年期症状は個人差がありますが、代表的なものは以下のとおりです。

  • 発汗
  • のぼせ
  • ほてり
  • イライラ
  • 気分の落ち込み

特にほてりやのぼせなどの症状をホットフラッシュと言います。現代では、出産年齢の高齢化もあり、更年期に子育て期間が重なる方も多くいるでしょう。
また、40代〜50代は働いている女性も多くいますが、更年期のつらい症状が仕事や育児など、普段の生活に支障をきたすこともあります。
大豆イソフラボンは、このホットフラッシュの症状を軽くするという報告があります。
イライラや気分の落ち込みなど、精神的な症状にはあまり効果がありませんが、ホットフラッシュの症状が強い人ほど症状が軽減すると言われています。

更年期障害について

2:骨粗しょう症のリスクを下げる

骨粗しょう症のリスクを下げる働きがあると言われています。
骨粗しょう症とは、骨の量が少なくなったり、骨の中の構造が悪くなったりすることで、骨がもろくなり、骨折しやすい状態です。
女性は閉経すると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が大幅に減少します。
エストロゲンは骨を強くする働きがあるため、40代以降の女性は女性ホルモンの分泌が少なくなることで、骨粗しょう症のリスクが高くなるのです。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをするため、エストロゲンと同じような働きをし、骨粗しょう症のリスクを下げる働きがあると言われています。
骨粗しょう症は、骨折しない限り自覚症状はありませんが、年齢とともに骨密度が下がるため、できるだけ骨を強くする生活習慣が大切です。
日光を浴びる、骨に負荷のかかるような運動をする、骨をつくるカルシウムを積極的に摂取するなど、大豆製品と合わせて、できることを心がけましょう。

3:乳がんのリスクを下げる

イソフラボンを多く含む食材を食べることで、乳がん発症のリスクを下げる可能性があると言われています。
女性ホルモンは乳がんの発生を促すと言われていますが、イソフラボンは女性ホルモンの働きを邪魔することで、乳がんの発生を予防する効果があると考えられています。

ただ、サプリメントや健康食品をとることによる安全性やリスクの低下は証明されていないため、がん予防のために、サプリメントで大豆イソフラボンをとることはおすすめできません。

4:美肌効果

大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きがあるため、肌の調子を整える効果もあると言われています。
女性ホルモンが少なくなると、肌のターンオーバーが遅れ、肌のキメが荒れてしまうなど、肌トラブルに繋がります。
女性ホルモンを積極的に摂取すると、肌のターンオーバーが促されます。肌のコラーゲン量が増え、肌のうるおいやなめらかさ、弾力を保つため、美肌効果があると考えられているのです。

他にも大豆イソフラボンには、抗酸化作用もあります。
紫外線やPM2.5、ストレスなど外的刺激を受けると、肌のコラーゲンが分解され、肌のハリやうるおいが失われてしまいます。
大豆イソフラボンの抗酸化作用によって、コラーゲンの分解を妨げることで、肌のハリやうるおいを保つ効果があり、肌の老化を防ぎます。

5:生活習慣病のリスクを下げる

他にも、生活習慣病のリスクを下げる働きがあると言われています。
大豆を摂取することで、コレステロールの減少が期待できると言われています。コレステロールの増加が抑えられることで、動脈硬化を防ぎ、高血圧などを予防できるのです。
また、大豆を食べることにより、血糖値が下がり、糖尿病のリスクが低下するという報告もあります。
食の欧米化により、近年、日本人も血中コレステロールが増加傾向にあると言われています。
生活習慣病のリスクは年齢を増すごとに高くなりますが、年齢が若い人でも、コレステロール値が高い人も多いため、要注意です。
大豆イソフラボンの効果により予防が期待できるのであれば、積極的に摂取したいですね。

イソフラボンは何に多く含まれる?

イソフラボンは何に多く含まれる?
多くのメリットがあるイソフラボンですが、どのような食品に多く含まれるのでしょうか。
代表的な食品は以下のとおりです。

  • 納豆
  • 豆腐
  • みそ
  • きな粉
  • 油揚げ
  • 豆乳

大豆や大豆製品はスーパーやコンビニなどで手軽に手にいれることができます。また、比較的安価ですし、普段の食事に取り入れやすいでしょう。
ただ、外食が多かったり、偏った食事をしているとなかなか摂取できず、不足しがちです。
和食中心の食事にすると大豆製品を多く食べられるため、食事をする時は和食を選択するといいでしょう。

イソフラボンに関するQ&A4選

イソフラボンは、女性にうれしい効果がたくさんあることから、できるだけ摂取したいと思う方も多いでしょう。
ただ、イソフラボンの摂取には注意点があります。
ここからは、イソフラボンに関してよくある疑問をまとめました。

イソフラボンは1日にどれぐらいとってもいい?

イソフラボンは1日にどれぐらいとってもいい?
うれしい効果がたくさんある大豆イソフラボンですが、どの程度とってもいいのか、気になる方もいるでしょう。
イソフラボンの1日あたりの摂取目安は40mg〜50mgです。
元々和食は大豆製品を使っているものが多いため、日本を含むアジアでは、大豆製品の摂取量が多い傾向にありました。

しかし、日本人の大豆製品の消費量は、食生活の変化で昔に比べると減ってきており、厚生労働省の報告によると、1日平均摂取量は16〜22mgと目安を大幅に下回っています。
そのため、普段の食事を工夫し、積極的に取れるよう意識するといいでしょう。
摂取目安量は以下の通りです。

  • 納豆1パック
  • 豆腐1/2丁

普段の食事で大豆製品をあまり食べていない人は意識して摂取しましょう。

イソフラボンをとりすぎるとどうなる?

女性にうれしい成分が多いため、できるだけたくさんとりたいと思う方もいるかもしれません。イソフラボンに限らずどんな成分でも、食べすぎると過剰摂取になってしまいます。

日本人は、みそや豆腐、納豆、醤油など、伝統的な大豆製品を昔から多くの人が食べていますが、古来の食生活で大豆イソフラボンの過剰摂取になったという報告はありません。
また、過剰摂取による健康被害はありませんが、女性ホルモンのバランスが崩れるため控えましょう。

食品安全委員会では、1日あたりのイソフラボン摂取上限を70〜75mgとし、毎日長期間上限量をとり続けなければ、すぐに健康被害につながることはないとしています。

普段の食事だけで、上限量を超え続けることはなかなかありませんが、大豆イソフラボンを濃縮したり、強化したりしたような、健康食品やサプリメントの場合、1日の総量が多くなることがあります。とりすぎを防ぎたい場合は、健康食品やサプリメントからの摂取ではなく、食事からの摂取だけに留めましょう。過剰摂取はかえって逆効果になってしまい、月経不順になるなど、美容にも健康にも悪影響を及ぼすことがあります。

大豆製品はイソフラボン以外にもたんぱく質やカルシウムなど、豊富な栄養が含まれているため、積極的に摂取したい食品です。
摂取量目安を守っていれば、効果は期待できるので、1日あたりの摂取量目安は守りましょう。

イソフラボンの効果をあげるにはどう摂取したらいい?

せっかく食べるなら、できるだけ効果的に摂取したいと思う方もいるでしょう。
イソフラボンは、吸収されると数時間で半減してしまうため、一度にたくさん食べるのではなく、1日の中で2-3回にわけて摂取することがおすすめです。
そのため、毎食に少しずつ摂取すると効果的と言えます。
また、空腹時にイソフラボンをとることで、吸収が高まるため、効果的でしょう。美容目的であれば、摂取のタイミングは夕食時など、夜間がおすすめですよ。

大豆製品をとっても効果があまりない場合は?

大豆製品を多くとっても、あまり効果を実感しないという人もいるでしょう。そのように感じる方は、「エクオール」をつくる腸内細菌が体の中にないのかもしれません。簡単なキットにより、エクオールがあるか調べることはできます。
腸内細菌のバランスは一定ではなく、体調や食生活によって変化します。以前はエクオールが作られていたけれど、今は作られていないという人もいるでしょう。
海藻や緑黄色野菜、きのこ、魚介類など、食物繊維やたんぱく質を多く含んだ健康的な食生活の人は多様な腸内細菌がいることがわかっています。大豆製品以外にも、野菜や魚介類など、普段の食事をバランスよく食べることが大切です。

まずは食生活を改善し、さまざまな食材を取り入れましょう。その上で、必要であればサプリメントや健康食品などを検討してもいいでしょう。

イソフラボンはゆらぎ世代におすすめ!積極的に摂取しよう

大豆イソフラボンは美容・健康にメリットがたくさんあり、女性に特におすすめの成分です。
積極的に摂取することで、女性特有の更年期症状を改善したり、予防したりできます。まずは普段の食事で大豆イソフラボンを取り入れることから始めましょう。
大豆製品は意識しないと不足しがちな人も多いため、できるだけ普段の食事に取り入れて、積極的に摂取しましょう。心と体の健康のためにも、イソフラボンの摂取は大切です。
食べすぎることにより健康被害はありませんが、1日の摂取量目安を守ってくださいね。食事からだけでは、推奨量を摂取できない人はサプリメントや健康食品をうまく取り入れてみましょう。

食生活の改善等で更年期症状の改善が見られなかった場合は、女性ホルモンや漢方などの治療を検討してみても良いかもしれませんね。症状がつらい時は、是非ご相談ください。

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この記事の監修
Sola Clinic院長 渥美 陽子
渥美 陽子
Sola Clinic院長
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