妊娠がわかると、「これから体がどう変化していくの?」「どんな症状が出るの?」と不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
今回は、妊娠初期・中期・後期ごとの体の変化や主な症状をわかりやすくまとめてご紹介します。
これから出産を迎える方、妊娠を考えている方の参考になれば幸いです。
妊娠週によって症状は変わる
妊娠期間は約40週。
この約10カ月の間に、体には驚くほど多くの変化が訪れます。
週数が進むにつれて、お母さんの体調や赤ちゃんの成長のスピード、感じる症状も変化していきます。
一般的に、妊娠は次の3つの時期に分けられます。
- 妊娠初期:0〜15週
- 妊娠中期:16〜27週
- 妊娠後期:28〜40週
初期はつわりやだるさなどの体調変化が目立ち、中期は比較的安定し胎動を感じ始める方も。
後期になると子宮の重みで骨盤が開き、息苦しさや腰痛を感じることもあります。
なお、妊娠週数は「最後の生理が始まった日」を妊娠0週0日として数えます。
【妊娠初期】妊娠週ごとの症状

妊娠初期(0〜15週)は、体の中で大きな変化が始まる時期です。
ホルモンバランスが急激に変わり、多くの方が体調の違いを感じ始めます。
妊娠0〜3週の症状
妊娠0週はまだ妊娠が成立していない段階。
生理があり、妊娠2週頃に排卵が起こり、受精すると妊娠3週頃に着床して妊娠が成立します。
この「妊娠超初期」は自覚症状がほとんどありませんが、着床後にだるさ・微熱・眠気など、わずかな体調の変化を感じる方もいます。
妊娠4〜7週の症状
妊娠4週は本来なら次の生理が来る頃。
生理が来ないことで妊娠を疑う方が増える時期でもあります。
下腹部の張りや腰の重さ、風邪のような倦怠感が現れることもあります。
5週頃には妊娠検査薬で陽性反応が出るようになり、産婦人科で胎嚢(たいのう)が確認されるでしょう。
6週になると心拍が見え始め、体のだるさや息切れ、唾液の増加などの症状が出てきます。
7週前後からつわりが本格化する方も多く、においや食べ物に敏感になることがあります。
見た目には変化がなくても、体の中では急激な変化が起きています。
つわりの詳細については「つわりはいつからいつまで?症状と軽減方法」もご参照ください。
妊娠8〜11週の症状
この時期はつわりがピークに達することが多く、吐き気や嘔吐、食欲不振などで日常生活に支障が出ることもあります。
また、子宮の成長により膀胱が圧迫されて頻尿になったり、腸の動きが鈍くなって便秘がちになる方も増えます。
腹部のふくらみが少しずつ目立ち始めるため、体を締め付けない服装がおすすめです。
ホルモン変化で気分が不安定になりやすいため、休める時は無理をせずしっかり休みましょう。
妊娠12〜15週の症状
12〜15週頃になると、胎盤が完成に近づきホルモンバランスが整い、つわりが落ち着いてくる方が多くなります。
食欲や体力が戻り始め、体調が少し安定してくる時期です。
子宮が骨盤の上に出てお腹がふくらみ始め、膀胱への圧迫も減って頻尿が改善されます。
一方で、ホルモンの影響により肌の乾燥やシミが出やすくなることもあります。
【妊娠中期】妊娠週ごとの症状
妊娠中期(16〜27週)は、体調が落ち着きやすい「安定期」。
胎動を感じ始めるなど、赤ちゃんの存在を実感しやすくなる時期です。
妊娠16〜19週の症状
お腹のふくらみが目立ち始め、胎動を感じる方も増えてきます。
体重が増えやすくなり、腰痛や脚のむくみを感じることがあります。
軽い運動やストレッチを取り入れると、症状の緩和に役立ちますよ。
この時期には胎盤が完成し、赤ちゃんへの栄養供給が安定します。
貧血になりやすいため、鉄分を意識して取りましょう。
妊娠中の食事については「妊娠中の食事はいつから気をつける?取り入れたい・避けたい食べ物も」も参考にしてください。
妊娠20〜23週の症状
お腹がさらに大きくなり、胎動で赤ちゃんの動きをはっきり感じられるようになります。
子宮の重みで骨盤が開きやすくなり、腰や背中に負担がかかり、足の筋肉が疲れやすくなることも。
また、この時期から妊娠線が出やすくなります。
乾燥を感じる方は保湿ケアを行うことが予防につながります。
妊娠24〜27週の症状
24週以降は子宮がかなり大きくなり、動きづらさを感じる方もいます。
睡眠が浅くなったり、息切れしやすくなることもあるでしょう。
血流が滞りやすく、むくみや静脈瘤、こむら返りなどが起こりやすい時期です。
妊娠高血圧症候群の予防のためにも、体重や塩分の管理を続けましょう。
【妊娠後期】妊娠週ごとの症状
妊娠後期(28〜40週)は、出産に向けて体が準備を進める大切な時期です。
妊娠28〜31週の症状
お腹が一段と大きくなり、腰や背中の痛みが強まる方が増えます。
血流が悪くなって手足がむくみやすく、静脈瘤や痔の症状が出ることもあります。
できる範囲で体を動かし、バランスの取れた食事と十分な休息を心がけましょう。
また、乳輪やデリケートゾーンの色素沈着が濃くなるのもこの頃です。
妊娠32〜35週の症状
赤ちゃんが骨盤のほうへ下がり始め、膀胱が圧迫されて頻尿になりやすくなります。
胃もたれや動悸、息切れを感じることもあるため、休息を優先することが大切です。
足がむくみやすく、こむら返りを起こすこともあります。
「お腹が張る」などの前駆陣痛を感じる方も出てきますが、異常を感じたら早めに医師へ相談しましょう。
妊娠36〜40週の症状
いよいよ出産が近づく時期。
お腹が下がり、いつ陣痛がきてもおかしくない状態になります。
母乳がにじみ始めたり、おしるし・前駆陣痛など出産の兆候が見られることもあります。
子宮が下がることで心臓や肺への圧迫が減り、息苦しさは軽くなりますが、頻尿は続きます。
ただし、お腹の下がり方や呼吸のしやすさには個人差があり、人によって感じ方が異なることもあります。
体を冷やさず、なるべく無理をせずに過ごしましょう。
妊娠がわかってから無事にお産が終わるまで、そして終わった後も、ご自身の変化や赤ちゃんの健康に関する不安は尽きないもの。
Sola Clinicでは、妊娠中から出産・産後の体に関すること、赤ちゃんとの生活に関することなど、少しでも不安を軽減し毎日がちょっと楽しくなるようなクラス・イベントを開催しています!
妊娠週ごとの症状を知って安心のマタニティライフを過ごそう
妊娠週ごとに、お母さんの体にはさまざまな症状が現れ、体も変化していきます。
妊娠初期は、つわりや倦怠感、頻尿など体調の変化が激しい時期です。
妊娠中期は比較的安定しますが、腰痛やむくみ、胎動を感じるようになります。
妊娠後期になると、お腹の大きさによる息切れや腰痛、頻尿などが増えてきます。
妊娠期間中の症状には個人差があり、同じ方でも妊娠ごとに違う場合もあります。
体の声に耳を傾けご自身の体と向き合いながら、無理のないペースで毎日を過ごしてくださいね。
「Sola Clinic」は横浜市都筑区にある女性医師による産婦人科クリニックです。
当クリニックは、お母さんが持っている力を引き出す自然なお産(Joyful birth)をサポートしています。
スタッフも全員女性ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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