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無痛分娩の痛みはどのくらい?普通分娩(自然分娩)の痛みも軽減できる!

妊婦さん

出産を控えた妊婦さんにとって、痛みへの不安は大きなものですよね。

「無痛分娩って本当に痛くないの?」「麻酔をしてもまだ痛みがあるって本当?」といった疑問を持つ妊婦さんも多いと思います。

 

このコラムでは、無痛分娩の痛みの実際や麻酔のタイミング、そして普通分娩(自然分娩)での痛み軽減についても詳しくお伝えします。

ご自身に合った分娩方法を選択する参考にしてください。

 

 

無痛分娩は「無痛」ではない?

無痛分娩とは、麻酔を用いて出産時の陣痛を和らげる分娩方法のこと。

痛みに対する不安が強い方、また医学的な理由で痛みを軽減する必要がある方に選択されることが多い出産方法です。

 

無痛分娩という名前から「全く痛みがない分娩」をイメージされる方も多いのですが、実際は違います。

 

なぜ完全に痛みをなくさないのかというと、それは出産時に「いきむ」タイミングを把握するために、ある程度の感覚が必要だからです。

 

痛みを完全に取り除いてしまうと、子宮の収縮に合わせて適切なタイミングでいきむことが難しくなってしまいます。

そのため、医療スタッフは意図的に軽い痛みを残しながら、それでいて痛みを軽減して、落ち着いて出産に臨めるよう調整しているのです。

 

実際の痛みのレベルは通常の分娩時の1~3割程度といわれており、生理痛の痛み程度と例えられることも多いです。

ただし、痛みの感じ方には大きな個人差があります。

さらに、初産婦さんの方が経産婦さんより痛みを強く感じやすい傾向も。

 

中には「期待していたほどの痛みの軽減を感じなかった」という方もいらっしゃるのが現実です。

 

 

無痛分娩での痛みと麻酔のタイミング

無痛分娩では、陣痛が始まってから麻酔を投与するため、麻酔が効き始めるまでの間は痛みを感じることになります。

 

一般的に、麻酔を開始するタイミングは以下の条件が整ったときです。

  • 規則的な陣痛が5~10分間隔程度になる
  • 子宮口が3~5cm程度開く

 

このタイミングまでは、無痛分娩であっても通常の分娩と同様の陣痛を経験します。

初産婦さんの場合、子宮口が3cmになるまでに数時間を要するケースもあり、その間は陣痛の痛みを感じることになります。

 

また、お産の進行が早い経産婦さんなどの場合で、麻酔が効き始める前に分娩が急激に進んでしまい、結果的に強い痛みを感じる場合もあります。

陣痛促進剤の効果により予想以上に早くお産が進み、麻酔が間に合わないケースもあるでしょう。

 

このような場合でも、医療スタッフが細心の注意を払って経過観察を行いながら、麻酔薬の量を調整して痛みを最小限に抑えるよう努めます。

 

麻酔の処置時の痛みについても気になるところですが、事前に局所麻酔を行うため、予防接種程度の痛みと例えられることが多いです。

 

無痛分娩で使用される麻酔の種類

無痛分娩では主に以下の3つの麻酔方法が用いられます。

 

硬膜外麻酔

最も一般的に使用される方法で、背骨付近の硬膜外腔に細いカテーテルを挿入し、麻酔薬を持続的に投与します。

効き始めるまでに10~15分程度かかりますが、麻酔薬の量を調整しながら分娩終了まで痛みをコントロールできます。

 

脊椎くも膜下麻酔

背中から細い針を使って、脊髄を覆うくも膜の下にある脊髄液の中に直接麻酔薬を注入する方法です。

硬膜外麻酔よりも効き始めが早く、分娩の進行が早い場合に選択されることがあります。

 

点滴による医療用麻薬の投与

硬膜外麻酔が困難な場合に選択される方法で、効き始めるまでは15分程度かかりますが、処置が比較的簡単です。

 

無痛分娩についてより詳しく知りたい方は、「無痛分娩とは?仕組みやメリット・デメリットをご紹介」もぜひご覧ください。

無痛分娩の仕組みから具体的なメリット・デメリットまで解説しています。

 

 

無痛分娩だけが痛みを軽減する選択肢ではない!

出産を控えた夫婦

ここまで無痛分娩について詳しくお話ししてきましたが、痛みを和らげるには「無痛分娩しかない」というわけではありませんよ。

普通分娩(自然分娩)でも痛みを軽減することはできるんです。

 

普通分娩での痛みへの対処法

普通分娩でも、適切な準備とサポートがあれば、感じる痛みを軽減することはできます。

痛みが少しでも軽くなれば、疲労感も大きく軽減させられます。

 

例えば、次のような対処方法を検討できます。

  • 正しい呼吸方法を実践する
  • フリースタイル出産を選択する
  • 分娩環境を工夫する
  • 家族にサポート・立ち会いをお願いする

 

呼吸をすることで自律神経のバランスを整えることができます。

鼻で呼吸をすると、副交感神経が優位になり脳がリラックスモードに入ります。

 

また、呼吸に意識を集中させることで、痛みにとらわれることがなくなります。

 

Sola Clinicでは、出産を控える妊婦さんを対象に呼吸のクラスも開催しています。

妊婦さんクラスについて

 

呼吸を使うことで、次のような感想をくださる方がたくさんいます。

  • 思ったより痛くなかった
  • お産の進みがスムーズだった
  • 気持ちよく産むことができた
  • パニックにならず静かにお産と向き合えた

 

また、分娩台に固定されることなく、自分が最も楽に感じる体位で出産する「フリースタイル出産」という方法も選択肢として考えてみましょう。

自由に動きたいように、そして自身が心地いいスタイルで出産を迎えることができます。

Sola Clinicでのお産は全てフリースタイル出産です。

 

リラックス効果のあるアロマを焚いたり、好きな音楽をかけたりして、痛みの感じ方を和らげることもできます。

 

また、信頼できる人の付き添いや励ましは、精神的な支えとなり、痛みを乗り越える力になります。

身近に頼れる人がいるなら、ぜひサポートや立ち会いをお願いしてみましょう。

 

普通分娩のメリット

普通分娩のメリットもあらためて確認しておきましょう。

 

身体への負担が少ない

普通分娩は、麻酔による副作用がないため、分娩中の過ごし方に制限がほとんどありません。

自由な体位で出産に臨むことができ、産後も自然な経過で回復していきます。

 

経済的な負担が少ない

無痛分娩では麻酔費用として追加費用がかかることが一般的ですが、普通分娩ではそのような追加費用は発生しません。

 

パートナーシップの深まり

出産という悦び溢れる体験を夫婦で迎えることは、パートナーとの絆をより深めることにつながります。

お誕生した赤ちゃんをすんなりと抱っこするパートナーさんをみると、頼もしいなぁ、嬉しいなぁと感じます。

 

Sola Clinicでは、妊婦さんが持っている自然な力を引き出す自然なお産をサポートしています。

無痛分娩を選択しなくても、痛みへの恐怖感や出産の疲労感を軽減することはできます。

出産は助産師が主体となってサポートしますので、みなさんが望む出産のカタチを一緒に考え実現していきましょう。

 

 

無痛分娩の痛みについても知りご自身にとって最善の選択を

無痛分娩は完全に無痛なのではなく、通常分娩の1~3割程度の痛みを感じるのが一般的です。

ただし、麻酔は陣痛開始後に投与されるため、麻酔が効くまでの間は通常の陣痛を経験することになります。

 

一方で、呼吸法や出産時のスタイル、環境の工夫などで、普通分娩でも痛みや不安を軽減することができます。

大切なのは、それぞれの分娩方法の特徴を正しく理解し、ご自身の価値観に合った選択をすることです。

 

Sola Clinic」は横浜市都筑区にある女性医師による産婦人科クリニックです。

当クリニックは、お母さんが持っている力を引き出す自然なお産(Joyful birth)をサポートしています。

スタッフも全員女性ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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この記事の監修
Sola Clinic院長 渥美 陽子
渥美 陽子
Sola Clinic院長
あなたと家族の”みらい”に向けて、明るい笑顔と真心、そして安心の医療体制で、安らぎと感動を提供いたします。産科、婦人科にかかわる心配事は、程度にかかわらず何でも「Sola Clinic」までご相談にいらしてください。