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後陣痛とオキシトシンの関係を解説!子宮収縮の痛みはなぜ起こる?

後陣痛

出産後しばらくの間、陣痛に似た下腹部の痛みが続くことがあります。

「産み終わったのにまだ痛いの?」と戸惑う方も多いですが、これは「後陣痛」と呼ばれる産後の自然な体の変化です。

 

後陣痛には、オキシトシンというホルモンが深く関わっています。

 

今回は、後陣痛の正体やオキシトシンとの関係、そして少しでも楽に過ごすための対処法についてお伝えします。

 

 

出産後の子宮収縮の痛み「後陣痛」とは

出産を終えてほっとしたのも束の間、お腹の痛みが続いて戸惑う方は少なくありません。

 

後陣痛(こうじんつう)とは、産後に子宮が元の大きさへ戻ろうとして収縮することで起こる痛みのことです。

 

「出産も陣痛も終わったのになぜ痛いの?」と思われるかもしれませんが、後陣痛は産後の体に自然に訪れる変化の一つです。

経腟分娩だけでなく、帝王切開後にも起こります。

 

子宮はもともとのこぶし大の大きさですが、妊娠中には赤ちゃんを育てるためにスイカほどの大きさまで大きく膨らみます。

出産後に子宮が元の状態へ戻っていくプロセスを「子宮復古」といい、このとき子宮がしっかりと収縮することで、胎盤が剥がれた部分からの出血を抑えるという大切な役割も担っています。

 

こうした体の回復にともなって生じる後陣痛は、産後の体が順調に回復しているサインの一つなのです。

 

後陣痛はどんな痛みで、どこが痛む?

後陣痛の感じ方には、個人差があります。

 

生理痛に近い鈍い痛みの方もいれば、本陣痛とほぼ変わらないほどの強さを感じる方もいます。

お腹がギューッと締め付けられるような感覚のほか、腰やおしりの奥が痛むと感じるケースも。

また、悪露(おろ)の排出とともに痛みを感じることもあります。

 

「人の話を聞いて怖かったけれど、思ったより大丈夫だった」という声もありますが、反対に日常生活に支障が出るほど強い痛みを感じるという方もいます。

つらい場合は無理に我慢せず、早めに医療スタッフへ相談しましょう。

 

多くの場合、出産直後から産後2~3日目に痛みのピークを迎え、4日目以降は徐々に落ち着いていきます。

産後数日以内に落ち着くケースが多いですが、数週間続くこともあります。

 

後陣痛を強く感じやすいのはどんな人?

後陣痛は子宮が収縮することで起こります。

陣痛と同じ現象です。

陣痛の痛みは子宮の収縮に連なって骨盤底筋が収縮することから生じる筋肉の痛みです。

ストレッチするときの筋肉の痛みと同じ原理です。つまり、骨盤底筋の血流がいい方は後陣痛が軽くなります。

妊娠中に意識していつもより動いていたり、ストレッチをして骨盤底筋の血流がよくなっていると、痛みを感じず子宮が穏やかに戻ります。

 

 

後陣痛とオキシトシンの関係

母乳を飲む赤ちゃん

産後の子宮収縮の痛みが続く理由を理解する上で欠かせないのが、「オキシトシン」というホルモンです。

 

オキシトシンは子宮の筋肉に作用して収縮を促すホルモンで、赤ちゃんが生まれてくる力の一端を担います。

そして、オキシトシンは出産後も引き続き分泌されるため、産後の子宮収縮が起こります。

 

後陣痛はオキシトシンの働きによって子宮が正常に戻ろうとしているサインといえます。

 

オキシトシンが出産全体に与える影響についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムもあわせてご覧ください。

オキシトシンが出産に与える影響とは?しあわせホルモンの作用を解説

 

オキシトシンのメリット

後陣痛の原因ホルモンとして語られがちなオキシトシンですが、一方で「幸せホルモン」とも呼ばれ、心と体に良い作用をもたらすことでも知られています。

 

授乳によってオキシトシンが分泌されることで、赤ちゃんへの愛着が育まれたり、ストレスや不安が和らいだりする効果が期待できます。

また、産後うつの予防にも関係していると考えられています。

 

子宮の回復を進め、同時にお母さんの心を支えてくれる存在がオキシトシンです。

 

産後うつとオキシトシンの関係について、詳しくはこちらもぜひご覧ください。

産後うつ予防は幸せホルモン「オキシトシン」で心の安定を

 

 

つらい後陣痛の痛みを少しでも和らげるには?

後陣痛は産後の回復に必要なプロセスとわかっていても、続く痛みに消耗してしまうことがあります。

産後の慌ただしい生活の中でも取り入れやすい、痛みを和らげるためのヒントをご紹介します。

 

お腹まわりを温める

お腹まわりを温めると血流が良くなり、筋肉の緊張がほぐれて痛みが和らぐことがあります。

湯たんぽやカイロを当てたり、シャワーで体を温めたりするのがおすすめです。

 

腹巻きの活用や、冷たい飲み物を控えて温かい飲み物を取り入れることも、冷え対策として有効です。

 

楽な姿勢でリラックスする

痛みがつらいときは、お腹に負担がかからない姿勢を探してみましょう。

足を軽く曲げて横向きになる、クッションや抱き枕を使うなど、自分に合った体勢を見つけてみてください。

 

また、不安や緊張が強いと痛みを感じやすくなるため、音楽や動画などで気分を和らげる時間をつくるのも効果的です。

 

やさしくさする・マッサージする

痛みを感じる部分(下腹部や腰など)に手のひらをあてて、やさしくさするのも効果的です。

血流を促すだけでなく、体の緊張をほぐす効果もあります。

力を入れすぎず、心地良いと感じる程度の強さで行うのがポイントです。

 

セルフケアが難しい場合は、ご家族や周囲の方に腰をさすってもらうだけでも楽になることがあります。

 

医師や助産師に相談する

後陣痛が強くどうしてもつらいときは、無理に我慢せず医療スタッフに相談しましょう。

授乳中でも使用できる鎮痛薬を処方してもらえることがあります。

入院中は遠慮せず申し出て、退院後も痛みが強い場合は産婦人科を受診してください。

 

また、1カ月以上痛みが続く、あるいは痛みが強くなる場合は、別の疾患の可能性もあるため、早めの受診をおすすめします。

 

 

オキシトシンが起こす子宮収縮の痛みを理解して後陣痛を乗り越えよう

後陣痛は、産後の子宮が元の大きさに戻ろうとする過程で自然に起こる痛みです。

 

その背景にはオキシトシンというホルモンの働きがあり、特に授乳中は分泌が高まるため子宮の戻りもよくなります。

後陣痛の痛みの感じ方には個人差があり、妊娠中から骨盤底筋のストレッチをしておくとかなり楽になります。

 

痛みがあった場合の対処法としては、お腹を温める、楽な姿勢をとる、やさしくマッサージするなどが有効です。

つらいときは一人で抱え込まず、医師や助産師に相談しながら、無理のないペースで回復を進めていきましょう。

 

Sola Clinic」は横浜市都筑区にある女性医師による産婦人科クリニックです。

当クリニックは、お母さんが持っている力を引き出す自然なお産(Joyful birth)をサポートしています。

スタッフも全員女性ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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この記事の監修
Sola Clinic院長 渥美 陽子
渥美 陽子
Sola Clinic院長
あなたと家族の”みらい”に向けて、明るい笑顔と真心、そして安心の医療体制で、安らぎと感動を提供いたします。産科、婦人科にかかわる心配事は、程度にかかわらず何でも「Sola Clinic」までご相談にいらしてください。