出産を控え、多くの方が不安を感じるのが陣痛の痛みです。
「どこが、どのように痛むのか」「どれくらい続くのか」「始まりのサインはあるのか」など、具体的に知っておきたいと考える方も多いでしょう。
今回のコラムでは、陣痛の痛みの特徴や種類、本陣痛が始まる兆し、痛みを和らげるための工夫について詳しく解説します。
出産への不安を少しでも軽くし、安心して当日を迎えるための参考にしてください。
陣痛はどんな痛み?
陣痛とは、赤ちゃんを体の外へ送り出すために起きる子宮の収縮に伴う骨盤底筋の進展の痛みです。
子宮には痛みを感じるセンサーはありません。
ではなぜ陣痛や月経痛があるのか?
それは子宮を支えている骨盤底筋が、月経や出産の時に、収縮をする子宮に連動して進展するためです。
ストレッチの時に進展で筋肉の痛みを感じることがありますよね。
陣痛の正体はこの筋肉の痛みなのです。
陣痛を和らげるためには、妊娠中に骨盤底筋の血流をよくすることが有効です。
具体的にはなるべく毎日20分は歩くこと、下半身のストレッチを毎日10分は行うこと、毎日を楽しくすごす工夫をすることが大切だと思います。
快適で楽しい毎日の先に気持ちいい出産があり、楽しい赤ちゃんとに生活があり、それらが人生をつくっていきます。
大げさなようですが、毎日の積み重ねが人生です。
1日1日をいい気分で過ごすことはとても大切です。
出産の始まりは、多くの場合、最初は重い月経痛のような痛みから始まり、徐々に強くなっていきます。
痛みの感じ方には個人差があります。
どういう気持ちで出産を迎えるかが大きく影響します。
「鼻からスイカが出るような痛み」「腰の骨が砕けそう」といった表現を耳にすることがありますが、赤ちゃんの体は柔らかく、自然な流れで産道を通ってきます。
「痛い」「苦しい」という気持ちだけが先行すると体が緊張し、筋肉の血流が悪くなります。
そのため痛みを強く感じてしまいます。
陣痛が始まった時に恐怖や不安を感じることはあるとは思いますが、そこに「この陣痛をのりきろう」という希望があるとエンドルフィンというホルモンが分泌し痛みが和らぐという体の仕組みもあります。
陣痛の正体は筋肉の痛みです。
筋肉の痛みを和らげるために、体を揺らしたり、深い呼吸でのりきろう、大丈夫!ということを心において、体の力を抜きましょう。
陣痛には種類がある!痛み方の特徴も
陣痛は、起こる時期や役割によって大きく3つに分けられます。
前駆陣痛
個人差はありますが、出産のおよそ1カ月前から見られる、不規則な子宮収縮です。
おなかが張って軽い痛みを感じることはありますが、規則的には続かず、自然におさまるのが特徴です。
夜になると張りやすい方もいれば、ほとんど自覚がない方もおり、感じ方には個人差があります。
前駆陣痛は、本格的な陣痛に備えて、子宮や子宮頸管をやわらかくする準備段階と考えられています。
痛みの間隔は一定せず、1回あたり20〜30秒ほどでおさまることが多いです。
体を動かしたり、リラックスしたり、温めると軽くなる傾向があります。
陣痛(本陣痛)
妊娠37週以降であれば、いつ始まってもおかしくない本格的な陣痛です。
初めは痛みも弱く、間隔も不規則ですが、次第に一定のリズムで起こるようになり、はっきりとした痛みを感じるようになります。
本陣痛の大きな特徴は、20~30秒ほどの痛みが約10分間隔(1時間に6回以上)で規則的に起こり、時間とともに間隔が短くなっていくことです。
子宮口が開くにつれて、陣痛の間隔は3〜5分まで縮まります。1回の陣痛が続く時間は長くても1分以内で治ります。
1分以上痛みを感じる時は体に力が入っている時です。深く息を吐いて体の力を抜くことを意識しましょう。
妊娠中から深い呼吸と瞑想を練習しておくと当日より楽に過ごすことができます。
後陣痛
出産後、広がっていた子宮が元の大きさに戻ろうと収縮することで起こる痛みです。
収縮することで出血を止めて、出産で開いた骨盤も閉じていきます。
産後1日目が最も痛みを感じやすく、3日目頃には落ち着くのが一般的です。
母乳を与えるとホルモン分泌が活発になり、子宮収縮が促され、回復が早くなります。
陣痛の間隔や見分け方について詳しく知りたい方は、「陣痛間隔はどのくらい?前駆陣痛と本陣痛の違いや分娩の進み方を解説」もあわせてご覧ください。
陣痛の始まりはどんなサインがある?

陣痛は突然始まるわけではなく、事前にいくつかの兆しが現れることがあります。
おしるしがある
出産が近づくと、子宮収縮によって赤ちゃんを包む膜と子宮の壁の間にずれが生じ、膜の一部がはがれて出血することがあります。
これが「おしるし」です。
おりものに少量の血が混じる程度から、生理のような量までさまざまで、色も薄い赤色や茶褐色など個人差があります。
多くの場合、おしるしの数日後に陣痛が始まりますが、1週間ほど陣痛が来ない方や、おしるしがないまま陣痛が始まる方もいます。
おしるしがあっても、慌てず普段通りに過ごして問題ありません。
破水が起こる
赤ちゃんを包んでいる膜が破れ、羊水が流れ出る状態です。
通常は陣痛が進み、子宮口が大きく開く頃に起こりますが、陣痛より先に破水するケースもあります。
破水が確認された場合は、陣痛の有無にかかわらず、速やかに医療機関へ連絡してください。
細菌感染のリスクが高まることもあるため、陣痛が始まらない場合には、医師の判断で陣痛を促す処置が行われることもあります。
規則的な痛みが繰り返される
「約10分間隔で規則的に痛みが繰り返される」ことが、陣痛開始の目安とされています。
陣痛が始まったら、まずは病院へ電話で連絡しましょう。
連絡時には、以下の内容を伝えるとスムーズです。
- 名前・出産予定日
- 初産か経産か
- 陣痛が始まった時間
- 破水の有無
- 胎動の有無
- 陣痛の間隔と痛みの程度
- 病院までの所要時間
陣痛が始まっても、慌てる必要はありません。
子宮口が全開になるまでの目安時間は、初産婦で12〜24時間、経産婦で7~24時間ほどです。
病院に早く到着しすぎると、かえって緊張してお産が進みにくくなることもあります。
陣痛が強くなるまでは、破水していなければ自宅でお風呂につかったり、軽く食事をとったり、好きな動画をみたり、お部屋を整えるなど、無理のない範囲で落ち着いて過ごしましょう。
少しでも陣痛の痛みを和らげるためにできること
波のように繰り返される陣痛は、できるだけリラックスしてやり過ごすことが大切です。
楽に感じる姿勢や方法は人それぞれ異なるため、いくつか試しながら自分に合うものを見つけましょう。
体を温めて筋肉の緊張をほぐす
腰や下腹部、足元を温めると血行が良くなり、筋肉の緊張がゆるみやすくなります。
カイロを「気持ち良い」と感じる場所に貼るのもおすすめです。
楽な姿勢・体勢を見つける
陣痛の痛みは、姿勢によって感じ方が変わることがあります。
- あぐらをかいて呼吸法を行う
- 四つんばいになる
- クッションや布団に上半身を預ける
- バランスボールに座って体を揺らす
- 立って腰を回す
- 散歩をする
- ストレッチをする など
陣痛の進み具合によって楽な姿勢が変わることもあるため、無理のない範囲でそのとき一番楽だと感じる体勢を探してみましょう。
マッサージをする
背中や腰をマッサージしてもらうと効果的です。テニスボールなどで強く押すと、翌日筋肉痛になって体が痛くなります。また強く押すことで体に力も入り逆効果です。
さするなどやわらかいマッサージと深い呼吸でリラックスしましょう。
脚にクッションをはさんだり、数を数えて呼吸をして意識をまぎらわすことも効果的です。
リラックスできる環境を整える
好きな音楽を流す、心地良い香りを取り入れるなど、五感を使ってリラックスできる環境を作ることも助けになります。
なお、陣痛そのものに効く痛み止めはありません。
産後の後陣痛や会陰切開後の痛みに対しては、医師に相談することで処方される場合があります。
出産の流れをより詳しく知りたい方は、「出産の流れを完全ガイド!陣痛から赤ちゃん誕生までの全ステップ」も参考にしてください。
陣痛がどんな痛みか知って安心して出産を迎えよう
陣痛の痛みは骨盤底筋の進展の痛みです。
妊娠中に骨盤底筋の血流をよくするストレッチをすること、よく体を動かすこと、気持ちよく歩くことでかなり軽減することができます。
前駆陣痛・本陣痛・後陣痛の3種類があり、それぞれに異なる役割があります。
おしるしや破水、規則的な10分間隔の痛みは、陣痛開始のサインです。
体を温める、楽な姿勢を探す、マッサージやリラックスできる環境を整えるなど、自分に合った方法で痛みを和らげましょう。
陣痛は、赤ちゃんと出会うために欠かせない大切なプロセスです。
不安や恐怖が強いと体が緊張し、痛みを強く感じることもあるため、過度に恐れ過ぎず、リラックスして出産に備えましょう。
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