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つわりに薬はある?種類と対処法・受診の目安を解説

つわり

「つわりがつらいけれど、何か薬はないだろうか?」

「そもそも妊娠中に薬を飲んでも大丈夫なのだろうか」

妊娠中に、このように悩む方は少なくありません。

 

実は、産婦人科ではつわりの症状に応じた薬を処方することができます。

 

今回は、つわりの基礎知識から処方薬の種類、薬に頼らない日常の工夫、受診のタイミングまでお伝えします。

つらさを一人で抱え込まず、まずは正しい情報を知ることから始めてみてください。

 

 

つわりに薬はある?まず知っておきたい基礎知識

つわりは「少しすれば治まる」「我慢するしかない」と思われがちな症状です。

しかし、症状の程度によっては、薬や医療的なサポートを受けることも可能です。

 

まずはつわりの基本から確認しておきましょう。

 

つわりとはどんな症状?

つわりの原因は完全には解明されていませんが、つわりは妊娠によるホルモンバランスの変化などが原因で起こるとされており、主に吐き気や嘔吐、食欲不振、においに過敏になるなどの症状が表れます。

 

唾液が過剰に分泌される「よだれづわり」や、空腹になると気持ち悪くなる「食べづわり」など、症状のあらわれ方は人によってかなり幅があります。

発症する時期も治まる時期も個人差が大きく、妊娠後期まで続く方もいます。

 

「みんなが経験することだから」という言葉で、つらさを我慢し続けている方も少なくありません。

しかし、頻繁な嘔吐が続いたり食事も水分もほとんど取れなくなったりすると、脱水や栄養不足によってお母さんの体への負担が増していきます。

 

つわりは我慢しなければならないものではないので、つらいと感じたら遠慮なくご相談ください。

 

つわりの症状やピーク時期については、こちらのコラムでさらに詳しくまとめています。

ぜひあわせてご覧ください。

つわりはいつからいつまで?症状と軽減方法を産婦人科医が解説

 

つわりは治療できる?

症状の程度によっては、治療することも可能です。

 

症状が比較的軽い場合は、食事の工夫や十分な休息など、日常生活の中での対処で乗り越えられることもあります。

しかし、吐き気がひどくほとんど食べられない、水分も取れないという場合は、医療機関での治療が必要です。

 

産婦人科では、症状の程度に合わせて内服薬の処方や点滴による水分・栄養補給が行われます。

「妊娠悪阻」と診断されるほど症状が重い場合は、入院が必要になることもあります。

 

 

つわりの治療薬の種類

産婦人科ではつわりの症状を和らげるために、薬を処方することがあります。

市販薬との違いや、処方される薬の種類を確認しておきましょう。

 

市販薬は使える?自己判断のリスク

例えば、つわりによる吐き気がつらいときは、「薬局で買える吐き気止めを使えばいいのでは」と思う方もいるかもしれません。

しかし、市販の吐き気止めや酔い止め薬は食べ過ぎや乗り物酔いによる吐き気を想定して作られており、妊婦さんのつわりへの使用は推奨されていません。

 

成分によっては妊娠中の安全性が確かめられていないものも含まれており、自己判断での服用は思わぬリスクにつながる可能性があります。

薬を使いたいと思ったときは、必ず産婦人科に相談するようにしてください。

 

産婦人科で処方される主な薬

産婦人科では、妊婦さんへの安全性を考えながら、つわりの症状を軽減するための薬が処方されます。

主に以下のような種類があります。

 

ビタミンB6製剤

ビタミンB6(ピリドキシンなど)はアミノ酸代謝をサポートする栄養素で、つわりによる吐き気・嘔吐を軽減する効果があるとされています。

つわりで食事が取りにくい時期は不足しやすいため、ビタミンB6の補給も兼ねて処方されることがあります。

 

制吐剤(吐き気止め)

メトクロプラミドやドンペリドンなど、吐き気を抑える薬が使われることがあります。

妊婦さんへの安全性を確認しながら処方されます。

 

抗ヒスタミン薬

吐き気を和らげる効果があるとされており、つわりの治療に用いられることがあります。

 

漢方薬

小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)や、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などが体質や症状に応じて選ばれます。

自然由来の成分ですが、効き方には個人差があります。

 

また、日本では未承認の「ボンジェスタ」という薬があります。

ボンジェスタは、抗ヒスタミン薬(ドキシラミンコハク酸塩)とビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)を組み合わせた、つわりの治療薬です。

 

海外では一般的に使用されている薬の一つですが、日本ではまだ未承認薬となっています。

国内での販売を目指した開発が進んでいますが、現時点では取り扱える医療機関は限られています。

※2026年3月現在

 

点滴治療が必要になるケース

内服薬での対応が難しいほど症状が重くなると、点滴による治療が必要になります。

つわりが進行し、脱水や栄養不足がみられる場合には、医療機関で水分や電解質、必要に応じて栄養を補い、体の状態を整えていきます。

 

「自分はまだ大丈夫」と感じていても、気づかないうちに体が限界に近づいていることもあります。

食事も水分も取れない日が続くようなら、早めに受診してください。

 

 

つわりがつらいときに!薬以外の対処法と受診の目安

ソファーに座る妊婦

 

薬以外にも、日常の工夫でつわりの症状が和らぐことがあります。

また、どのタイミングで産婦人科を受診すべきかを知っておくことも大切です。

 

日常でできる対処法と受診の目安についてお伝えします。

 

日常でできるつわり対策

つわりの症状は、日常のちょっとした工夫で和らぐことがあります。

自分の体調に合わせて試してみてください。

 

食事のとり方を変える

一度にまとめて食べようとすると吐き気を誘発しやすくなります。

少量を数回に分けて口にするようにすると、体への負担が減ることがあります。

 

冷たくさっぱりしたものや消化の良いもの(そうめん・豆腐・ゼリーなど)が食べやすいという方も多いので、食べられるものを優先して選んでみてください。

 

空腹が吐き気を引き起こすこともあるため、口にしやすいものを手の届くところに置いておくと安心です。

 

妊娠中の食事については、こちらのコラムでも詳しくまとめています。

何を食べればいいか迷っているとき、避けた方がいいものを確認したいときにご活用ください。

妊娠中の食事はいつから気をつける?取り入れたい・避けたい食べ物も

 

水分を少しずつ補給する

普通の水を飲むと気持ち悪くなるという方は、経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ試してみてください。

電解質も一緒に補えるので、嘔吐が続いているときにも役立ちます。

 

におい対策を行う

妊娠中は嗅覚が敏感になり、以前は気にならなかったにおいで吐き気を感じることがあります。

部屋をこまめに換気する、料理は家族に頼むなど、環境を整えることで症状が落ち着く場合があります。

 

十分な休息をとる

睡眠不足や疲労はつわりの症状を悪化させることがあります。

横になれるときは積極的に休み、家事や仕事は周囲に甘えながら乗り越えていきましょう。

 

受診すべきサイン

つわりの症状がつらくなってきたら、我慢しすぎずに産婦人科を受診してください。

症状が強くなると、点滴などの治療が必要になることもあります。

 

特に次のような状態が続く場合は、早めの受診が必要です。

  • 水分がほとんど取れない状態が続いている
  • 1日に何度も嘔吐してしまう
  • 体重が短期間で急激に減っている
  • 強いだるさがあり、日常生活に支障が出ている

 

「このくらいで受診してもいいのか」と遠慮する必要はありません。

つらいと感じたときが、受診のタイミングです。

産婦人科医はつわりの症状を日々診ていますので、気になることがあれば気軽に相談してみてください。

 

 

つわりは薬の処方が可能!我慢せず産婦人科へ相談を

つわりの症状は人それぞれですが、つらいときに我慢し続ける必要はありません。

産婦人科ではビタミンB6製剤や漢方薬、制吐剤など、妊婦さんの状態に合わせた薬を処方してもらえます。

 

食事の工夫や休息といった日常でできる対処法も、症状の軽減に役立ちます。

水分が取れない、体重が急激に減っているといったサインが出てきたら、早めに産婦人科に相談してください。

 

Sola Clinic」は横浜市都筑区にある女性医師による産婦人科クリニックです。

当クリニックは、お母さんが持っている力を引き出す自然なお産(Joyful birth)をサポートしています。

スタッフも全員女性ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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この記事の監修
Sola Clinic院長 渥美 陽子
渥美 陽子
Sola Clinic院長
あなたと家族の”みらい”に向けて、明るい笑顔と真心、そして安心の医療体制で、安らぎと感動を提供いたします。産科、婦人科にかかわる心配事は、程度にかかわらず何でも「Sola Clinic」までご相談にいらしてください。