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オキシトシンが母乳の分泌を促す理由と育児へのメリット

赤ちゃん

妊娠や出産をきっかけに、「オキシトシン」という言葉を知った方も多いのではないでしょうか。

オキシトシンは母乳育児とも深く関わるホルモンですが、具体的にどのような働きをしているのか、よくわからないという方も多いと思います。

 

そこで今回のコラムでは、母乳が作られる仕組みとオキシトシンの関係、さらに育児において魅力的な作用についてわかりやすく解説します。

赤ちゃんとの新しい生活を迎える準備として、参考になるとうれしいです。

 

 

母乳はどのように作られる?基本の仕組み

母乳は、母親の血液をもとに作られています。

妊娠中から出産後にかけて体内ではさまざまなホルモンが働き、母乳分泌に向けた準備が少しずつ進んでいきます。

 

母乳分泌に関わる主なホルモンには、次のようなものがあります。

  • 乳腺を発育させる「エストロゲン」「プロゲステロン」
  • 母乳を作る「プロラクチン」
  • 母乳を出す「オキシトシン」

 

妊娠中は、エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが乳腺の発育を促進。

一方で、この時期には母乳が分泌されないよう調整する働きも担っています。

 

赤ちゃんが誕生して、役目が終わった胎盤が排出されると、エストロゲンやプロゲステロンの分泌量は急激に低下します。

それに伴い、母乳を作る働きをもつプロラクチンの分泌が高まり、母乳の分泌が始まるのです。

また、産後は赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激によってオキシトシンが分泌され、作られた母乳を押し出す働きをします。

 

出産直後から数日間は、「初乳」と呼ばれる免疫物質を豊富に含んだ母乳が出ます。

この初乳は赤ちゃんの腸内環境を万全に整えます。

その後、母乳中の乳糖や乳脂肪の濃度が上昇し、次第に乳房の張りを感じるようになります。

 

産後9日頃を過ぎると、授乳に必要な量に応じて、新たな母乳が作られる仕組みへと移行します。

 

母乳とオキシトシンの関係を深掘り!

では、母乳とオキシトシンにはどのような関係があるのでしょうか。

詳しくみていきましょう。

 

オキシトシンが母乳を「出す」仕組み

オキシトシンは、脳の視床下部で作られるホルモンで、母乳の分泌をスムーズに保つ上で欠かせないものです。
「愛情ホルモン」や「幸せホルモン」とも呼ばれ、妊娠・出産・育児のさまざまな場面で重要な働きをしています。

 

赤ちゃんがおっぱいを吸うと、その刺激が脳に伝わり、血液中にオキシトシンが分泌されます。

このオキシトシンの作用によって、乳腺のまわりの筋肉が収縮し、母乳が湧き出てきます。

これを「射乳反射」といい、母乳育児を続けるためには必要な反応です。

 

授乳を始めてから約1分以内にオキシトシンの血中濃度が上昇し、授乳をやめると約6分以内に基礎値へ戻るとされています。

 

スキンシップと頻回授乳が分泌を支える

オキシトシンは、赤ちゃんが実際に吸っていなくても分泌されるという特徴があります。

赤ちゃんのことを考えたり、匂いを嗅いだり、泣き声を聞いたりするだけでもオキシトシンの血中濃度が上がり、射乳反射が起こることも。

 

また、授乳時の赤ちゃんとのスキンシップも、オキシトシンの分泌を促します。

こうした刺激が重なることで、母乳の分泌が安定しやすくなります。

 

赤ちゃんが母乳を欲しがると自然におっぱいが満ちてくるのも、このホルモンの働きによるものです。

 

母乳の分泌をよくするためには、出産後すぐに直接授乳をすること、赤ちゃんが欲しがる時に積極的に授乳することをおすすめします。

赤ちゃんがおっぱいを吸うことが上手になる前に哺乳瓶で与えると赤ちゃんが哺乳瓶に慣れてしまいおっぱいを嫌がることがあります。

この現象を乳頭混乱と言います。

おっぱいは舌を使って噛む、

哺乳瓶は流れてくるミルクを嚥下すると

それぞれ飲み方が違います。

哺乳瓶を使うと赤ちゃんの舌の動きが悪くなりおっぱいを上手に捉えることができなくなります。

母乳で育てたいという方はぜひ助産師さんに「赤ちゃんが生まれたらすぐに直接授乳をしたい」と伝えましょう。

 

オキシトシンと出産の関係については、こちらのコラムでもさらに詳しくご紹介しています。

オキシトシンが出産に与える影響とは?しあわせホルモンの作用を解説

産後うつ予防は幸せホルモン「オキシトシン」で心の安定を

 

 

オキシトシンがもたらす母乳育児のメリット

赤ちゃん

母乳育児を通じてオキシトシンが分泌されることで、さまざまなメリットが期待できます。

 

子宮の回復を助ける

オキシトシンには子宮の収縮を促す作用があります。

授乳を行うことで子宮が元の大きさに戻りやすくなり、産後の出血量を抑える効果も期待できます。

 

子宮の回復がスムーズに進むことで、体調も整いやすくなるでしょう。

 

心の安定とストレス軽減につながる

オキシトシンには抗ストレス作用があり、授乳によって分泌されることで心が落ち着きやすくなります。

産後は慣れない育児や睡眠不足によって気持ちが不安定になりがちですが、オキシトシンの働きが心の安定を支えます。

 

赤ちゃんとの愛着形成を促進する

授乳の際に赤ちゃんを抱っこしたり、目を合わせたりすることで、オキシトシンが分泌されます。
その結果、自然と赤ちゃんが愛おしくなり赤ちゃんのお世話が楽しくなります。

 

赤ちゃんもおっぱいを吸うことでオキシトシンが分泌されて心地よくなり、よく寝てくれるようになります。
オキシトシンはママがリラックスしている時に分泌します。

おっぱいの時間が楽しくなるとオキシトシンが分泌して赤ちゃんもよく寝てくれるというサイクルになります。

おっぱいの時間が楽なようにクッションを使ったり、音楽を流したり、好きな動画をみたり、工夫しましょう。

 

育児の負担をやわらげる

オキシトシンにはリラックス用があり、疲れや緊張をやわらげる助けにもなります。

 

Sola Clinicでは、オキシトシンがたっぷり分泌される自然なお産のサポートを行なっています。

体の回復が早く、赤ちゃんもよく眠るため、産後の生活を前向きに過ごしやすくなります。

 

 

 

オキシトシンと母乳が赤ちゃんとの絆を深める

母乳は血液から作られ、プロラクチンが母乳を作り、オキシトシンが母乳を出す働きをしています。

赤ちゃんが吸う刺激によってオキシトシンが分泌され、射乳反射が起こることで、母乳育児が維持されます。

 

さらに、オキシトシンの作用によって子宮の回復が促され、ストレスがやわらぎ、赤ちゃんとの愛着形成も進みます。

 

母乳育児は選択肢の一つですが、オキシトシンによる心と体へのメリットを知っておくことで、より安心して赤ちゃんとの生活を迎えられるでしょう。

 

Sola Clinic」は横浜市都筑区にある女性医師による産婦人科クリニックです。

当クリニックは、お母さんが持っている力を引き出す自然なお産(Joyful birth)をサポートしています。

スタッフも全員女性ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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この記事の監修
Sola Clinic院長 渥美 陽子
渥美 陽子
Sola Clinic院長
あなたと家族の”みらい”に向けて、明るい笑顔と真心、そして安心の医療体制で、安らぎと感動を提供いたします。産科、婦人科にかかわる心配事は、程度にかかわらず何でも「Sola Clinic」までご相談にいらしてください。